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福岡県医療勤務環境改善支援センター

勤務環境改善取組事例:公益財団法人健和会 戸畑けんわ病院

~組織で楽しく取り組むわくわく作戦~

公益財団法人健和会 戸畑けんわ病院
所在地 福岡県北九州市戸畑区新池1丁目5番5号
病床数 303床
職員数 全職員365名(医師:31名/看護職:250名/事務職:83名/コメディカル83名)
※すべて非常勤職員含む。

1.取組のきっかけ、取組前の問題点

看護職の離職が、2014年まで3~4%台が2015年から6.2%と上昇。
離職時の年齢も20代後半から30代(平均離職時年齢32歳)と、中堅看護師の定着、辞めずに働き続けられる勤務環境改善が不可欠と考え、医療法の改正、医療機関の勤務環境改善が努力義務化されたのでWLBに取り組むことにした。
離職理由①結婚②子育て③やりがい・働きがいがない④人間関係。

2.取組の概要

  • (1) 日本看護協会「看護職のWLBインデックス調査」を実施
    医療勤務環境改善支援センターからのアドバイザー支援のもと、勤務環境改善課題抽出・職員満足度調査(満足度・重要度52項目、改善提案・私案)で全職員へ再調査を実施。全職種が「医療勤務環境改善調査」に取り組むことで、キックオフ、キャッチコピー、マスコットの作成などWLBの取組みを通じて多職種がチームとして運営に参加した。
  • (2) 「現状判断・対策シート」「アクションプラン」作成
    WLB事務局体制とスタッフ機能での実践アクションプランを立案した段階で、課題の担当者を明確にした。多職種参加の2グループに分かれ、計画を具体化した。
  • (3) 調査結果の報告など進捗段階の全体報告とニュース(わくわく大作戦ニュース)の発行(輪番)
    2016年有給休暇取得状況調査結果を全国調査(全産業・医療福祉)と比較し全職場に開示し「見える化」することで自施設の休暇のとれる環境作りの整備の理解につなげ、取得促進と人が大切にされていることへの認識の第一歩とした。 【わくわく大作戦ニュース】
  • ・適正配置に関しては、全職場の「適正配置調査」を実施することで多面的に自施設を分析し、アンケート調査などのプロセスを通して気づきや発見につながった。
  • ・やりがい調査や会議時間削減について病院管理部あげて継続調査し、今年度会議時間の見直し取組み予定。

3.実施後の成果や今後の課題

  • WLBの取組みを通じて多職種がチームとして運営に参加することで病院全体の組織の活性化に繋がった。活動内容や方向性に不安や行き詰まりを感じた時に、アドバイザーの役割が課題を推進させる上で大きな力となった。
  • 全職場に調査結果を提示・可視化することが重要と感じた。間違った解釈や判断で真実を知らずに不信感が不満や諦めにつなげさせないことが大切である。
  • 調査結果から就業規則等の周知不足から派生する不満を最小限にすることも重要と感じた。
  • アクションプラン1年目で結果、看護部の離職は、7%で減少までは至っていない。今後下記の課題の取組み実施予定。
  • 1.定期的な適正配置・有給取得状況の継続的な職員へ周知するシステム整備
    2.会議時間調整後の維持ルールの構築      3.ライフスタイル別の聞取り調査の継続
    4.WLBを意識した「お互い様文化」の醸成   5.就業規則の理解と周知への取り組み
    6.ホームページでのPRによる人材確保     7.看護のやりがい支援(生の声)
    8.職種間の相互理解と協働での業務改善・調整  9.経年的離職率の変化の推移

4.支援アドバイザー所感

  • 「WLBインデックス調査」は看護部のみの調査であり、全職員の明確な課題が見いだせないために、勤務環境改善課題抽出・職員満足度調査(満足度・重要度52項目、改善提案・私案)を1か月の短期間で実施し課題を抽出した。結果は職員へ返すことを必須とし、2グループによるアクションプランを実行に移した。
  • 勤務環境に関する日常労務上のことについては病院上層部・管理側と一般職員側に認識のズレが多くみられるが、掲示や広報誌等を活用して「見える化」で職員に丁寧に説明することでズレ解消につながることに理解を得た。
  • まだ多くの課題を解決していかなければならないが、委員会を重ねる度に勤務環境の取り組みは日常業務の把握・分析・対策という継続した流れであり、「自分たちの職場は自分たちの手で良くしよう」という機運が今まで以上に生まれたように思われる。
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