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福岡県医療勤務環境改善支援センター

勤務環境改善取組事例:医療法人明楽会 くまクリニック

有床診療所(透析医院)における業務効率化と
教育システムの確立

医療法人明楽会 くまクリニック
所在地 福岡県福岡市博多区銀天町2-2-3
病床数 19床
職員数 55名

1.取組のきっかけ、取組前の問題点

複数のベテラン職員の同時退職により一時的なマンパワー不足の状態となっていた。
それに伴い職員の教育システムが崩れるとともに、有給休暇等が取り難い期間が生じた。
これらによるさらなる退職を防ぐために、勤務環境改善の取り組みを開始した。

2.取組の概要

  • (1) アンケート実施、現状把握
    職員全員に勤務環境についての満足度調査を行い、部署別に不満点の分析を行った。その結果、業務の効率化・教育システムのマニュアル化・待遇改善に焦点を絞って改善する事を決定した。
    待遇改善の足掛かりに有給休暇取得率・離職率を確認した。
  • (2) 部署別の改善案策定・実施
    効率化に向け、部署別に業務改善案を検討・実施した。有給休暇消化率上昇の目標を定め、部署別に計画的な消化に向けた取り組みを開始した。
  • (3) ラダー評価の開始
    教育システムとして新たにラダー評価制度を採用した。部署別にラダー評価表を作成し、明確な教育/評価システムとして運用を開始した。

3.実施後の成果や今後の課題

  • 有給休暇消化率は全体で15%上昇した。消化率が下がった部署もあり、取り組みを継続する。
  • 離職率は横ばいであった。
  • 業務の効率化については一定の成果を上げ、部署によっては大きな省力となった。効率化後月日が経つにつれ省力化したことによる問題点も散見され、今後の成熟を期待する。
  • ラダー評価表について、初年度に作成した表を次年に簡略化し、より実用的なものとした。日常業務におけるラダーの浸透・評価への反映には課題を残すものの、今後の指標の一つとなった。

4.支援アドバイザー所感

  • アドバイザーとしてクリニックでの取り組みは初めてであったが、アンケートを実施することにかなりの不安があった模様。
  • しかし、実施したことで今まで見えなかった課題や職員の言動に変化が出てきたと院長が感じている模様。グループ討議で意見を取りまとめ、ボトムアップで上層部が理解し、それに対して何らかの反応を示すだけでもかなりの成果があったと思う。
  • クリニックの小さな組織体であってもボトムアップとトップダウンの効果的使い方でいかようにも変化することが出来る。日頃からのこの取り組みを継続してほしい。また、併設の介護施設でも活用して欲しい。
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