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福岡県医療勤務環境改善支援センター

勤務環境改善取組事例:医療法人社団敬信会 大法山病院

皆が長く働きたいと思える
職場環境の実現に向けて

医療法人社団敬信会 大法山病院
所在地 田川市大字猪国690番地
病床数 474床
職員数 全職員361名/医師:常勤8名、非常勤16名/看護職:常勤165名

1.取組のきっかけ、取組前の問題点

当院職員の勤務環境に対する満足度は8割と高く、また他施設と比べても遜色ないものであった。それにも関わらず離職率は高いということが分かった。その理由として「勤務環境に不公平感を感じる」「専門職としての研鑚を積みにくい」という2点が考えられた。

それらの問題を解決するために福岡県の勤務環境改善支援の事業に参加し、院内に勤務環境改善委員会を立ち上げた。そしてその中で、職員皆が安心して仕事に打ち込め、労働モチベーションを維持できるよう、職場環境を見直すこととした。

2.取組の概要

  • (1) 労働条件の周知徹底
    労働条件の周知徹底により、「皆が平等に権利を行使できる働きやすい職場をつくる」という目的で実施した。
    • 労働条件周知徹底冊子作成
      →勤務条件や病院規則の情報を得やすくした。
    • 院内新聞の発行
      →勤務環境の周知を図った。
    • 連続有給休暇申請書類の導入。
      →所属長判断というあいまいな基準を見直した。
      →勤務調整をおこないやすくし、業務への支障を最小限にとどめた。
  • (2) 学習機会の提供
    職員のスキルアップを推進することにより、意欲的に仕事に取り組む職員を増やし、活気ある職場へと変化させるという目的で実施した。
    • 院内学会の開催
      →演題発表者に対して表彰を行い、院外学会へ派遣した。
    • クリニカルラダー制度の導入
      →専門職としての知識や技術を身につけられるよう、段階的教育過程を構築した。
    • 院内勉強会の強化
      →院外から講師を定期的に招き、質の高い勉強会を提供した。

3.実施後の成果や今後の課題

  • (1) 成果
    • 年次有給休暇の申請方法を始め病院の労働条件等の周知徹底を図った結果、事前申請率が大幅に向上した。それにより「現場では勤務調整が可能となる」「職員は他職員に気兼ねなく年休の連続取得が可能となる」という効果が得られ年休の取得率が上昇した。
    • またスキルアップの機会提供は「専門職としてスキルアップしている実感が持てる」「労働意欲の向上につながる」との声が聞かれ、概ね職員から高評価を得た。これらの成果により、結果として離職率の低下を図ることができた。
  • (2) 課題
    • 職員の病院に対する不満点や要望を調査した結果、上記の事例の他に「福利厚生の充実」「永年勤続やキャリアアップへの恩恵」などの要望も上がっていた。当院の職員旅行等の福利厚生参加率は平均10%程度と低いため、これを見直していきたい。
    • また当院は永年勤続やキャリアアップへの恩恵がほとんどなく、それが職員の労働意欲低下の一因となっていると考えられる。そのため永年勤続表彰や人事考課制度の導入などに取り組んでいきたい。
    • これらの施策をおこなっていくことにより、職員の労働モチベーションの向上を促し、長く働きたいと思える職場環境の実現を目指していきたい。
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4.支援アドバイザー所感

  • 職員確保が難しい過疎地であり、今後も人材確保に苦労すると思われるが、勤務環境改善を通じて、更なる病院経営の刷新に取り組まれることを期待する。
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